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鏡の向こうに 11話 [小説 鏡の向こうに 全30話]

破片

 「カランカラン」
「いらっしゃい。」
圭は入口から一番奥のカウンターに座る。
ビールくれ。」
「あいよ。」
バーテンダーの男は冷蔵庫からグラスを取り、ビールサーバーからビールを注ぐ。圭の前にグラスが置かれ、バーテンダーの男は自分のグラスを持ち、
「おつかれ。」
とグラスを触れ合わせてきた。圭もグラスを持ち、「チン」と音を鳴らす。

 しばらく雑談が続き、圭の酒の量も進んだ。スタジオでは理想の音は出なかったが、酒に酔うほど脳が覚醒されていくのが解った。
「話変わるけど、この間の『変わりネタ』ってまだあるの?あったらくれ。」
「アレなんだけど、ちょっと問題があって・・・。」
バーテンダーの男は渋い顔をして、
「出所がヤバいんだよぉ。まだネタはあるから今日は大丈夫だけど、もうじき出回らなくなるよ。」
「そうか、、、。」
圭はグラスを空け、
「お代わり。」
とビールを飲み続けた。

 バーテンダーの男は磨いていたグラスを落とし、
「音はサービスで。」
割れたグラスの破片を拾い始める。
「いてっ」
バーテンダーの男は破片で指を切ってしまった。切った指から血が流れる。それを眺めながら、
「そういえば、圭さんがうちの店に来ると必ず来る女がいてさぁ。すげぇいい女なんだけど。」
尚も流血を眺めながら、
「その女が圭さんに似てるんだよね。似てるって言うかそっくりなんだ、雰囲気が!」
バーテンダーの男は指の手当てをする。
「圭さんは多分あった事ないと思うけど、向こうは知ってるよ。俺が話したから!」
「居ねぇヤツの話はいいよ!そろそろ行くわ。」
圭は立ち上がり、革のパンツから紙幣を取り出す。バーテンダーの男に紙幣を渡し、お返しにビニール袋を受け取った。


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コメント 3

トシシロ

がぁこさん、nice!ありがとう。
また遊びに行きます。
by トシシロ (2007-11-13 22:25) 

slot-777

続きが気になりますねぇ~
この話は販売されてるんですか?
by slot-777 (2007-11-14 13:12) 

トシシロ

slot-777さん、コメントありがとう。
残念なことに出版されてません。
ブログだけの発表なので、これからもよろしくです。
by トシシロ (2007-11-14 14:20) 

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