Te amo 2話 [小説 Te amo 全15話+1話]
スラム
俺の住むスラム街では幾つかの決まりがある。一つはこのスラムの人間同士で争わない事。盗みやケンカはもちろん、隣人の妻や旦那に手を出してはならない。その他には仲間を裏切らない事。と言うより、子供のころから仲間と力を合わせなければ、このスラムでは生きていけない。そして家族を愛する事。旦那は妻を、妻は旦那を、子供は親を、親は子供を愛する。これらの当り前の事がスラムでは決まりとなる。

俺は妻と息子の3人暮らしだ。妻のお腹の中には新しい家族が宿っている。貧しいながらも幸せな家庭を築き上げた。ただ家族が増えれば今の貧しさに拍車を掛ける。そこで妻や子供のために少しでも収入が高い職を探し始めた。
スラム街の仲間で最近ボディガードの仕事を始めたジョンは高収入を得ているという。俺はジョンの家を訪ねた。
「よう。マンゴーが安く手に入ったから持ってきた。」
ジョンと俺は幼馴染みだ。歳も近く気心の知れたヤツだ。
「おう、マリオか。いつも悪いな。ビールでも飲むか?」
「ああ。」
ジョンは手作りの木製椅子から立ち上がり、冷えていない2本のビール缶を手に取った。俺は小さなパイプ椅子に座った。
「はいよ!」
「わりーな。」
マンゴーをテーブルに置き、ジョンと俺はビールで乾杯した。
始めは他愛ない話をした。スラムでは病気の話か金の話だ。頃合いをみて、
「ところでボディガードの仕事見つけたんだって?」
俺は直球に投げかけた。この一言だけでジョンは俺の心内を見透かすだろう。ジョンは一口ビールを含み、
「・・・お前のカミさん、妊んでるんだって!?」
俺もビールを一口含み、
「ああ。」
ジョンはビール缶をテーブルに置き、そのビール缶の淵をなぞりながら考え込んでいる様子だった。
「分かった!明日ボスに聞いてみるよ。紹介出来るかはそれからだ。」
俺はビールを一気に飲み干し、
「ああ、頼む。」
飲み干したビール缶をテーブルに置くとジョンは綺麗に缶を潰した。それが明日の糧となる。
「それからボスは日本人だ。特に問題ないだろ?」
「もちろん!!」
俺は小さなパイプ椅子から立ち上がり、ジョンの家を出ようとした時に後ろを振り返った。
「その日本人の名前は?」
ジョンは少し躊躇いながら、
「Mr.コバヤシだ。」
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俺の住むスラム街では幾つかの決まりがある。一つはこのスラムの人間同士で争わない事。盗みやケンカはもちろん、隣人の妻や旦那に手を出してはならない。その他には仲間を裏切らない事。と言うより、子供のころから仲間と力を合わせなければ、このスラムでは生きていけない。そして家族を愛する事。旦那は妻を、妻は旦那を、子供は親を、親は子供を愛する。これらの当り前の事がスラムでは決まりとなる。

俺は妻と息子の3人暮らしだ。妻のお腹の中には新しい家族が宿っている。貧しいながらも幸せな家庭を築き上げた。ただ家族が増えれば今の貧しさに拍車を掛ける。そこで妻や子供のために少しでも収入が高い職を探し始めた。
スラム街の仲間で最近ボディガードの仕事を始めたジョンは高収入を得ているという。俺はジョンの家を訪ねた。
「よう。マンゴーが安く手に入ったから持ってきた。」
ジョンと俺は幼馴染みだ。歳も近く気心の知れたヤツだ。
「おう、マリオか。いつも悪いな。ビールでも飲むか?」
「ああ。」
ジョンは手作りの木製椅子から立ち上がり、冷えていない2本のビール缶を手に取った。俺は小さなパイプ椅子に座った。
「はいよ!」
「わりーな。」
マンゴーをテーブルに置き、ジョンと俺はビールで乾杯した。
始めは他愛ない話をした。スラムでは病気の話か金の話だ。頃合いをみて、
「ところでボディガードの仕事見つけたんだって?」
俺は直球に投げかけた。この一言だけでジョンは俺の心内を見透かすだろう。ジョンは一口ビールを含み、
「・・・お前のカミさん、妊んでるんだって!?」
俺もビールを一口含み、
「ああ。」
ジョンはビール缶をテーブルに置き、そのビール缶の淵をなぞりながら考え込んでいる様子だった。
「分かった!明日ボスに聞いてみるよ。紹介出来るかはそれからだ。」
俺はビールを一気に飲み干し、
「ああ、頼む。」
飲み干したビール缶をテーブルに置くとジョンは綺麗に缶を潰した。それが明日の糧となる。
「それからボスは日本人だ。特に問題ないだろ?」
「もちろん!!」
俺は小さなパイプ椅子から立ち上がり、ジョンの家を出ようとした時に後ろを振り返った。
「その日本人の名前は?」
ジョンは少し躊躇いながら、
「Mr.コバヤシだ。」







不定期なブログ更新でごめんなさい。
by トシシロ (2008-10-21 09:10)